にょりの備忘録

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ロングレングスパーシャル法とかいうあやしい手法について

こんにちは、にょりです。

 

いきなり誤解を生みそうなタイトルではありますが、

本記事はロングレングスパーシャル法(以下LLP法)を

わりと肯定的に扱っている記事となっております。

 

とはいえ、LLP法自体はかなり新しい知見であり、

筋トレ界においての認知度もまだあまり高くありません。

 

そもそもLLP法とはどんなトレーニング方法なのか、

まずはそれについて解説していく必要もあると思います。

 

今回はそんなあやしさ満点の新しい知見であるLLP法について

概要から実際に活用できるのかについて掘り下げていこうと思います。

 

ロングレングスパーシャル法ってなによ?

 

さて、まずはここからですよね。

ロングレングスパーシャル法というのは、

筋肉の伸びた状態での刺激を重視したトレーニング方法のことのようです。

 

ロングレングスというのは、そのものずばり伸びた状態のことですね。

一般的にストレッチポジションとも呼ばれたりすると思います。

 

パーシャルというのは、一部または部分的という意味です。

いわゆるパーシャル法というのは昔からあって、

あえて可動域を制限して普段よりも高重量のトレーニングを行う際などに

用いられることが多いように認識しています。

 

ただまあ、実際のところは敢えて可動域を制限するメリットはなく、

筋力トレーニングにおいても概ねフルレンジでのトレーにイングのほうが

好ましい結果が出ている傾向にあるみたいですが…。

 

ということは、このLLP法もパーシャルレンジでのトレーニングだから

結局はフルレンジでのトレーニングに劣るんじゃないの?

という話になってくるわけですが、そこが今回の話の肝になってくるわけです。

 

何にせよ、LLP法というのは、

可動域をストレッチポジションに限定して行うトレーニングである

という認識を持っていただければ問題ないかなと思います。

 

ストレッチポジションでの刺激を重視せよ

 

さて、昔から筋トレ界隈では言われていることではあるのですが、

ストレッチ(伸長性)の刺激が筋繊維を破壊し、

筋肉を大きく肥大化させるというのが定説としてあったりします。

 

で、上で述べたLLP法というのは、

このストレッチポジションのみに限定して

トレーニングを行うというのも先に述べたとおりなんですが、

筋トレ界隈にはもう一つ定説としてまかり通ってるものがあります。

 

それは、いかなるトレーニングも可動域が大事であるということです。

 

上で少しパーシャルレップ法についても触れましたが、

意図的であれ無意識であれ、

可動域の狭いトレーニングにはほとんどメリットがないよというのが

ここ数年での筋トレ界での常識となりつつありました。

 

ところが、最近の大規模な研究レビューによって、

ストレッチポジションのみに限定したこのLLP法は

フルレンジでのトレーニングと同等かそれ以上に

筋肥大反応を引き出ることが分かってきたんですね。

 

むしろ、フルレンジでのトレーニングが良いと言われていたのは

全体の中にストレッチポジションもちゃんと含まれていたからというだけで、

ストレッチポジションでの刺激さえしっかり入っていれば

収縮局面での刺激はそこまで重要ではないという論調まで出てきました。

 

実際のところ、全日本レベルのボディビルダーはどちらかというと

「引き切る、押し切る、上げ切る」という表現を多用しているイメージで、

収縮局面を重視している方が非常に多い印象なのですが、

研究結果としてはそういうことらしいのです。

 

もちろん、全日本レベルの方々は

そもそもトレーニング自体が非常に卓越しているので、

ストレッチ局面での刺激も余さず入れているという

前提での「引き切る(以下略)」という発言になっているとは思うのですが…。

 

LLP法によっていくつかの疑問が解決する

 

僕が個人的にLLP法について興味があるポイントがあって、

LLP法が実際に筋肥大のメカニズムとして正しいものとして考えた場合、

これまで個人的に未解決だった

いくつかの疑問が解消するという点が挙げられます。

 

以下に「LLP法的に考えるとめちゃ効果的なんじゃね?」と感じた

トレーニングについてまとめていきます。

 

デッドリフトは広背筋のトレーニングとして有効

 

デッドリフトはヒップヒンジの種目であり、

主動筋は大殿筋とハムストリングスであるという認識は変わらないのですが、

やはり広背筋にもしっかり刺激が入っているし、

デッドリフトが強い人は広背筋もデカいという通説もあります。

 

ただ、デッドリフトにおける広背筋の可動域は本当に限られています。

とくにワイドスタンスで上体を立てて行うデッドリフトの場合は

もうほとんど広背筋は動いていないと言っていいでしょう。

(アイソメトリクス的な刺激は入っていると思いますが…)

 

ただ、ある程度体を前傾させて行うコンベンショナルデッドリフトは

概ね30度くらいの可動域があるんじゃないかなと思います。

とくに上体が水平に近ければ近いほど広背筋の可動域は増えていきます。

 

そして、デッドリフトにおいて広背筋に刺激が入るタイミングは

その大部分がストレッチポジションに該当します。

逆に、上体が垂直になる局面では広背筋は収縮位となるわけですが、

この時はもう重力の方向と筋繊維の方向が一致してしまうので、

広背筋への刺激はほとんどなくなっている状態です。

胸を張って肩甲骨を寄せると背中に刺激が入っているような気もしますが、

それは単に収縮間を感じているだけで、筋肉への刺激とは別のものです。

(僧帽筋の上部には刺激が入っています。シュラッグの状態に近いです)

 

つまり、特に上体を倒して行うコンベンショナルデッドリフトや

ルーマニアンデッドリフトは、LLP法的に考えるた場合は

広背筋にとってもかなり有効はトレーニングとなってくるわけです。

しかも、通常のロウイング等では行えないような高重量を

ヒップヒンジとハムストリングの力で持ち上げながら

それを広背筋のストレッチポジションで受けとめるという形になりますから、

他のトレーニングでは絶対に与えられない強烈な刺激を

広背筋に与えられるということになります。

 

デッドリフトで広背筋は肥大するのかしないのか問題は

昔から何度となく起こっているのですが、

LLP法の検証がもう少し進んで確かなものであると確証が得られれば

少なくとも上体を倒して行うデッドリフトに関しては

しっかり筋肥大するものという認識に変わってくるのではないかなと思います。

 

ダンベルプルオーバーはやっぱり良い種目だった

 

ダンベルを使った古典的なトレーニングにプルオーバーというものがあり、

フォームによって大胸筋メインであったり広背筋メインであったりと

刺激の入り方が変わってくるというちょっと特殊な種目です。

 

この種目自体は若い子というよりは

昔から筋トレをしているおっちゃんトレーニーの方が

トレーニングメニューに組み込んでいるイメージがありますね。

まあただの偏見なんですが…。

 

個人的には胸というより背中のストレッチ種目という位置づけですが、

いずれにせよこの種目も非常に負荷のかかる部分が少なかったりします。

可能なかぎりフルレンジを意識したとしても、

ダンベルで行った場合はおおよそ30度から45度くらいの範囲が

しっかりと刺激の入るレンジになってくるかなと思います。

 

ただ、そういった刺激の入る可動域が限定的であるにも関わらず

この種目はもう何十年もトレーニーの間で愛されてきています。

その理由は、やはり筋トレ的に見て効果が高いトレーニングだからでしょう。

 

では、なぜ有効な可動域が限定的であるにも関わらず効果的なのか。

 

そこで出てくるのがLLP法というか理論なわけです。

ダンベルプルオーバーもやはり刺激の入るポジションのほとんどが

ストレッチ局面に限定されています。

だからこそ、しっかりと負荷が乗る範囲が狭くても

高い効果が見込めていると考えることができるのかもしれません。

 

各種インクライン種目がもてはやされる理由

 

インクラインダンベルカールはわりと完成されたトレーニングですが

インクラインサイドレイズなどは収縮局面で負荷が抜けるという

デメリットも内包しているトレーニングとなっています。

 

ただ、それでも個人的にはインクラインサイドレイズのほうが

より肩の中部繊維の成長に貢献している印象が強く、

筋トレ界隈的にもそういった認識の方が多いのではないかなと思います。

 

これもやはり、LLP法的な考え方をすると腑に落ちる点が多いんですよね。

収縮域での刺激を減らしてでもストレッチ局面での刺激を増やすことで

効率的に筋肉に刺激を与えることができるというのは、

こうやって理論として確立される前から

多くのトレーニーが実施していたことなのかもしれません。

 

事実はどうあれ、考え方は参考になるということ

 

結局のところ、LLP法がすべて正しいのかどうかはまだよく分かっていません。

そもそも最近になって出てきたまだ新しい知見であり、

これからその知見を補強してくれる追従レビューが出てくるかもしれませんし、

逆に否定的なレビューが出てくるかもしれません。

 

ただ、一つ言えることは、フルレンジ云々よりも

まずはストレッチ局面でしっかり刺激を入れられているかを

重視したてほうが筋肥大トレーニングとして

良い結果をもたらすことに繋がってくるかもしれないということです。

 

例えばサイドレイズなんかは何も考えずに立位で行うと

ストレッチ局面で負荷を逃してしまう場合がほとんどです。

ベントオーバーロウやワンハンドロウなども

ボトム位置でしっかり重さを受けとめる意識をもたなければ

しっかり引き切きることの意味は薄いかもしれません。

 

また、ボトム位置(ストレッチ局面)でさえ刺激が入ればいいので、

懸垂やラットプルダウンなどは無理に引き切らなくても

しっかり効果を得られるということになります。

これらはスタートポジションの段階で

すでに筋肉がストレッチされたポジションにあるからです。

ただ、ラットプルダウンなどは

初動を上半身の勢いで引いてしまう方も多いと思うので、

そういう傾向も考慮するとやはり懸垂が良いのかもしれません。

 

そういう意味では上で挙げたベントロウやワンハンドロウも

スタートポジションに関して言えばストレッチポジションになります。

これらの種目も引き切ることのメリットは薄いのかもしれませんが、

逆に伸展位での負荷を抜かないようにすることで

狭い可動域でも筋肥大効果を最大化することができるかもしれません。

 

たまにめちゃくちゃ狭い可動域でやっているにもかかわらず

めちゃくちゃデカい人がいたりしますが、

そういった方はこのあたりのコントロールが熟達しているのかもしれませんね。

(もちろん単にユーザーである可能性は排除できませんが…)

 

というわけで、長々と書いてきましたが

LLP法という新たな知見の登場によって一つ分かったことは、

筋肥大においてやはりストレッチ刺激というのは

非常に重要なのだなということです。

 

そして、これはいわゆる伸張性刺激(ネガティブトレーニング)とは

異なる概念であることも理解しておかなければなりません。

伸張性ではなく、筋肉が伸展位(伸びた状態にあること)での刺激を

いかにして与えていくかが重要であるということですね。

 

何にせよ、新しい考え方というよりは

これまでのトレーニングにおいてぼんやりと考えられていたことに

エビデンスがついたと捉えるのがよいかなと思います。

ストレッチ刺激、大事にしていきましょう!

 

ということで、長くなりましたが今回はこのへんで!