にょりの備忘録

筋トレ、ダイエット、ゲームなど、趣味についてのアレヤコレを徒然に書きとめています。

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【フィットネス疲労理論】トレーニング中級者以上の方は絶対に意識すべきこと

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こんにちは、にょりです。

皆さんは自分がトレーニーとしてどの程度の水準であるか

意識したことはありますか?

僕はトレーニングを初めてそろそろ4年くらいになるのですが、

いちおうぼちぼち中級者と呼べる程度には

なってきたかなと思っています。

 これは、単に自称中級者というわけではなくて、

もちろん一定の基準に合わせて判断しています。

 

Weightlifting Strength Standards

 

上記のサイトで自分の体重ごとの

各種目のレベルを確認することができます。

こちらはわりとトレーニー界隈では有名な指標なので、

このリストで中級者以上であれば

概ね中級者と名乗って問題ないのではないかなと思っています。

 

さて、いきなりですが、トレーニー中級者ともなれば

そろそろ壁にぶち当たってくる頃合いではないでしょうか。

 

そうです。停滞期という大きな壁に、です。

 

もちろん、世の中にはBIG3をほとんどやらずに

筋肥大トレーニングに勤しんでいる方もおられると思うので、

今回のお話はそういった方にはあまり関係ないかもしれません。

ただ、逆にしっかりBIG3をやり込んでいる方には

何かしら役に立つ話になると思うので、

最後まで目を通していただけると幸いです。

 

というわけで、今回はとくに

「トレーニング中級者以上で、最近ちょっと伸び悩んでいる方」

に向けてのお話をしていきたいと思います。

 

 

超回復理論はいったん忘れよう

 

トレーニング初心者の頃は

だいたい誰しもがまず超回復理論に則って

トレーニングを始めると思います。

僕がトレーニングをはじめたばかりの頃は

そもそもこれ以外に理論と呼ばれようなメソッドが

表立って提唱されることもなかったので

素直にこの理論に則ってトレーニングをしていました。

 

いちおう知らない方のために解説しておくと、

超回復理論というのは

「トレーニング後48時間から72時間程度は

筋肉は傷ついた状態になってパフォーマンス低下するが、

その後、トレーニング前よりも強い状態となって再生されるので、

筋肉が強化されたそのタイミングで

より強度の高いトレーニングをすることで

コンスタントに筋肉を成長させることができる」

という考え方です。

一方で、超回復理論ではトレーニング後からしばらくすると

また筋肉は元の状態に戻ってしまうので

一定以上の休息は原則的に良くないという考え方でもありました。

 

これは、理論としてまったく的外れということはなく、

とくにトレーニングボリュームの少ない初心者の頃は

疲労の蓄積度合いもたかが知れているので、

この理論通りにトレーニングを行っていても

わりとしっかりと結果が出る傾向にあります。

 

これは単にトレーニング初心者はトレーニングは質が悪く、

さらにワーキングキャパシティ(要はスタミナ)も低いので

主観的な疲労度に対して肉体的な疲労度はそこまで高くないからです。

当人がめちゃくちゃ疲れたと思っていて、

さらに筋肉痛もしっかりきていたとしても、

神経系や筋肉に対するダメージはそれほど深刻ではありません。

 

例外があるとしたら、第三者にトレーニングを強制されるなどして

自分ではすでに肉体的な限界に達しているのに

無理やり強度の高いトレーニングを継続させらるような

特殊な環境におかれた場合くらいでしょう。

(ただ、頭のいかれた脳筋系の顧問が担当している運動部などでは

逆にこういったことがありがちだったりするので要注意です)

 

しかし、実際に一年くらい真面目に筋トレを続けて、

ある程度しっかりと筋量も増え、

さらに自分なりに筋トレに関しての情報を精査できるようになってくると

この「超回復理論」が

様々な矛盾をはらんでいることに気がつくと思います。

 

まずシンプルな問題として、この理論が本当に正しかった場合

停滞期というものは存在しないことになってしまいます。

 

人間の筋肉は遺伝的限界に近づくにつれて

成長速度が遅くなることが分かっていますが、

それでも超回復理論が完全に正しいのであれば、

トレーニングを続けるかぎり

少なからず成長は続くということになるわけですね。

 

ですが、現実には違います。

トレーニングのレベルがある程度高くなってくると、

ほとんどの方は普通にトレーニングをしていただけでは

成長スピードが極端に遅くなってしまいます。

場合によっては一年くらい停滞してしまうことだってあるでしょう。

 

これにはもちろん様々な原因があるのですが、

たいていの場合、一番の原因となるのは

疲労の蓄積によるパフォーマンスの低下になります。

 

そこで、超回復理論に代わり、

ここ最近の主流な考えになっているのが

「フィットネス疲労理論」ということになります。

 

フィットネス疲労理論とは

参考動画・文献

 

 

athletebody.jp

 

フィットネスと疲労

 

今回の記事を書こうと思ったきっかけは、

僕自身が直近まで行っていた筋肥大メニューに

停滞感を感じはじめたことに加え、

怪我からの復調もあって531プログラムを再開したこと、

さらにTwitterでたまたま昔に読んだAthleteBodyさんの

上記記事を目にしたからでした。

 

内容的には上で紹介しているShoFitnessさんのYoutube動画でも

同じようなことを解説しているので、

動画で見たい方は動画を、文章で読みたい方は上記リンクから

AthleteBodyさんの記事を参照していただけると、

ひとまずフィットネス疲労理論については理解が深まると思います。

 

ざっくりと説明すると、トレーニングをすることで

フィットネス(地力)の向上が見込めますが、

一方で疲労も蓄積していきます。

そして、このフィットネスと疲労のバランスによって

実際のパフォーマンスが決まってくるという考えかたが

フィットネス疲労理論になります。

(イメージ的にはフィットネス-疲労=パフォーマンスという感じです)

 

フィットネス疲労理論のポイントは、

パフォーマンスの伸び悩みが

そのままフィットネスの停滞には繋がらない

ということなんですね。

 

トレーニングによってフィットネスは着実に伸びていても、

疲労がより蓄積していた場合、

結果的にフィットネスの向上が相殺されて

パフォーマンスに現れないという現象が起こります。

これが俗にいう停滞期の正体である場合もあるわけですね。

(もちろん、トレーニングや食事自体に問題があって

筋肥大や神経系の適応そのものが停滞している場合もあります)

 

オーバーリーチングとオーバーワーキング

 

停滞期になったら、

できるだけ速やかにその状態を抜け出したいものです。

ただ、それが表面上の停滞期であって、

実はフィットネス(地力)は成長し続けているとしたらどうでしょう?

 

パフォーマンスはフィットネスと疲労の相関によって

決定されるというのは上でも書いたとおりですが、

それはつまり、表面上のパフォーマンスが停滞しても、

フィットネスは伸び続けている可能性があるということでもあります。

 

フィットネスと疲労が釣り合った状態になると、

それ以上パフォーマンスの向上は望めません。

そして、漸進性加負荷の原則に則って考えた場合、

パフォーマンスが伸び悩めば

トレーニングのボリュームもそこで伸び悩むため、

筋肥大や筋力アップは望みにくくなります。

 

ただ、この状態でもボリュームを落とさずに

トレーニングを続けることで、

フィットネス自体は少しずつ伸びていくと考えられています。

この状態をオーバーリーチングと呼び、

これによってトレーニングのキャパシティを

増やすことができるわけです。

 

一方で、この状態でさらにパフォーマンスが

維持できなくなるまで続けた場合、

今度はトレーニングの質が低下してしまいます。

パフォーマンスの低下によって、

トレーニングのボリューム自体が下がってきてしまうからですね。

 

その状態でトレーニングを続けても、

必然的に筋量、筋力ともに低下してしまいます。

これはそのままフィットネスの低下と考えていただいても構いません。

 

この状態をオーバーワーキングと呼びます。

この状態ではトレーニングボリュームが落ちていくので、

いずれは蓄積していた疲労も抜けていき、

再びフィットネスとのバランスが取れていくことで

パフォーマンスも一定のレベルまでは回復するのではないかと思います。

 

しかし、そのまま何も考えずに続けていれば、

再びオーバーワーキングの状態となり、

パフォーマンスの低下に合わせて

また同じようにフィットネスも低下していくわけです。

 

この状態に気づかず、長い期間を停滞期として過ごす

トレーニーも少なくはないでしょう。

 

疲労管理の重要性

 

トレーニングで効率よく筋肉を肥大させるためには、

漸進性加負荷の原則に則って

常にトレーニングボリュームを向上させていくしかありません。

これについては超回復理論でも

フィットネス疲労理論でも同じことが言えます。

 

一方で、トレーニングボリュームが増え続ければ

いつかフィットネスの向上よりも疲労の蓄積のほうが上回ってしまい、

いずれ必ず停滞を招いてしまうことになります。

 

そして、その期間をコントロールできれば

オーバーリーチングとして一定の恩恵を受けることもできますが

何も考えずにその状態のまま無闇にトレーニングを続ければ

いずれはオーバーワーキングとなって

それまでの努力を無意味なものにしてしまいかねません。

 

では、どういった形で折り合いをつけていくのがベストなのでしょうか?

 

とにかく休息をとる

 

最もシンプルな方法です。

今まで以上に休息をしっかりとり、肉体と神経を回復させましょう。

しっかり食べてしっかり寝てください。

さらにできるだけストレスの少ない生活をしてください。

 

ただ、ほとんどの場合、これが一番難しいことだったりします。

 

時間のある学生や自由業の方であればもちろん可能でしょうが、

一般的な社会人であれば時間的な拘束もあるでしょうし、

仕事によるストレス、家庭におけるストレスなど

大なり小なりのストレスを抱えて生活している方が多数だと思います。

 

こういった方々は、やはり別の方法で肉体と神経に

休息を与えてあげる必要があります。

 

ディロード(積極的休息)を設ける

 

ディロードというのは、

ざっくりいうとトレーニングをお休みすることです。

 

もちろん、完全休養するというわけではなく、

これまで行ってきたトレーニングの内容は大きく変えず

セット数や重量を半分程度まで落とした上で

一週間ほど軽めのトレーニングするという期間を設けます。

 

原則的に疲労というものは風邪や怪我でもないかぎり

比較的すぐに回復すると考えられており、

完全に休養しなくても、こういった低ボリュームの

トレーニング期間を設けるだけでも

蓄積した疲労の大部分は回復するだろうとされています。

 

そして、ディロードが終わった後には

フレッシュな状態で再び通常のトレーニングを再開できますから、

それまでのトレーニングで向上した

フィットネスの分だけパフォーマンスが向上し、

トレーニングの質を高めていけるわけなんですね。

 

こういったディロードをトレーニングの中に取り入れる人は

まだまだ少ないと思いますが、

実際、目に見えてパフォーマンスが回復しますので、

停滞感を感じている人は一度は試してみるのも良いかと思います。

 

今回はディロードの中でも特にポピュラーなやり方を解説しましたが、

以下の動画ではディロード自体の解説と

その他の様々なディロード方法について解説していますので、

詳しく知りたい方は一度視聴してみることをお勧めします。

 


 

 

ピリオダイゼーション(期分け)を取り入れる

 

ピリオダイゼーションとは、

一定の期間に分けて内容に変化を加えながら

トレーニングを組み立てていく

トレーニングプログラムのことです。

 

例えば現在10rep3setで組んでいる場合、

次の週は5rep5setにした上で扱う重量を上げてみたり、

逆に現在5rep5setで組んでいる場合、

次の週は10rep3setにした上で扱う重量を下げてみるなど、

重量やセット数に変化を加えていくことが基本的な手法となります。

 

こうすることで、パワー系のトレーニングと

ボディビル系のトレーニングを分けて行えるので、

神経系の疲労と肉体系の疲労をそれぞれ別々に管理することができます。

 

もちろん、上のrep数set数は一例でしかないので、

例えば3rep7setや20rep2setのような

極端なセットの組み方をしてみるのも良いかと思います。

 

また、山本義徳が考案したとされる

「マンデルブロトレーニング」

このピリオダイゼーションを用いたプログラムになります。

 

 

 

ピリオダイゼーションは

必ずしも疲労を完全に抜くことができるわけではありませんが、

筋肉に常に新しい刺激を入れることができるので、

中級者以上の方であれば、単純にトレーニングプログラムとしてもオススメです。

 

僕自身も、腰の怪我の関係でBIG3ができなくなっていた時期は、

このピリオダイゼーションの考えかたに則って

オリジナルのトレーニングメニューを組んでいました。

 

個人的にはやっぱり531プログラムがオススメ

 

531プログラムは去年の夏終わりから取り入れだした

パワー系のトレーニングプログラムなのですが、

やはりプログラム自体に疲労管理が組み込まれてるのは大きいなと感じました。

 

このプログラムはBIG3+オーバーヘッドプレスを中心とした

4週1サイクルとなっているトレーニングプログラムなのですが、

4週目がディロード期間として設定されているので、

プログラムに忠実に行った場合、

必ず1週間は疲労を抜く期間を設けられているということになります。

 

もちろん、この4週目については必ずしも実施する必要はなく、

疲労感を感じない場合は3週目を終えた段階で

次のサイクルに進んで良いとされているのですが、

僕がこのプログラムに取り組んでいた際は

忠実にディロードも取り入れ、

結果的にかなりBIG3の重量を伸ばすことができました。

 

あと、1RMではなくTR(トレーニングマックス。1RMの90%)をベースに

重量を計算されている関係で、

普通にこなしていく分には怪我のリスクも少ないのがありがたいところです。

今回、立て続けに腰や肩を痛めて分かったのですが、

筋トレにとって一番大事なのは

いかに怪我なくトレーニングを続けられるかということに尽きますからね。

 

まあ、僕のようにweek3のPRチャレンジで無茶をして

腰を壊すバカモノもいるので、

結局はそのプログラムを実施する人間次第なところはありますが…。

 

去年のオフシーズンから531プログラムを取り入れて、

とりあえず何とかベンチプレス100kgを

一発上げることに成功するまでは成長できましたが、

それはあくまで増量中でのことでした。

 

なので、現在の減量中の中でこのプログラムが

どのような結果をもたらすかは

まだちょっと未知数なところもありますが、

そのあたりは追々このブログでも報告していこうと思います。

 

まとめ

 

結局、最終的に僕が何を言いたかったかというと、

休養は大事だよということです。

とくに若いトレーニーは

休息なんてしている暇があったら少しでもトレーニングをするべき

と考えている方がほとんどでしょうし、

コンテストでトップを争うような方たちも

そういった熱血系トレーニーが少なくない印象です。

 

逆に言えば、トップ層がそういった方たちだからこそ、

それに憧れる若者たちもまた

無茶なトレーニングをしがちなのでしょうけど、

トップ選手は基本的にみんな才能の塊みたいな人たちばかりですから、

凡人がそれについていこうとしても

体を壊すだけではないかというのが個人的な所感です。

 

とかくボディメイク関係では不思議と遺伝的素質を軽視されがちなので、

多くの方が「俺だってやればできるはずだ!」

ゴリゴリやっている印象があります。(若干の偏見もありますが)

 

まずはしっかりと現実を見て、

身の丈にあったトレーニングで着実に成長していきましょう。

がむしゃらにやって結果的に回り道をしてることって、

けっこうありますからね。(戒め)

 

というわけで、今回はフィットネス疲労理論と疲労管理のお話でした。

それでは、長くなりましたが今回はこの辺で。